フォルクローレ。スペイン語で「Folklore」とつづります。専ら日本ではロック、タンゴ、シャンソン、ジャズなどとともにラテンアメリカのフォークソングというジャンルに分類されています。しかし、もともとは英語の「民間伝承・古くから民間に伝わる習俗・ことわざ・伝説・舞踊・歌謡などの総称」という意味のFolklore「フォークロア」をスペイン語読みした外来語のことです。
アタウアルパ・ユパンキの『風の歌』によると、「フォルクローレは、そこに人間の住む《風景の言葉》を深く知らなくては、わずかな翻訳しかできない。・・・歌の故郷を捜す芸術家たちは、その歌のメロディと詩を習うだろう。だが、その神秘や性格、歌の魅力を引き出すことは困難なことだ。歌い手や演奏者は、巧みな技術だけではだめだ。常に風景と、その地の希望と静けさと、色と涙を練りあげ、自分のものにしなくては・・・。文化なしの気質や考えは、必ず滅びる。もし本当の音楽を伝えたいなら、《愛》のほかに《意志》と《自覚》が必要だ」とあります。